推しプリンシパルだった中村祥子が辞めてから、Kバレエの映画は見てなかった。
が、この作品のTV番宣を見たら、熊川哲也は「原作は読んでないしディズニーも見てない」と言い放つオレオレぶりで気合い入ってる。劇団四季は見たのかな？笑
それに新しいプリンシパルも良さそうなので鑑賞。

私は、バレエで素人が見て分かる演目は白鳥の湖だけ、同じくオペラは蝶々夫人だけだと思っている。それ以外はエンタテインメントとして弱い。
けど、これいいかも。
海の生物やマーメイドの動きは、白鳥の動きのようにバレエ向きだし、独自性がある。
初回なので難点はあるが、ぜひこれを熟成させてほしい。最大の難点は人魚のときから足があることなんだけど…。

踊りだけで見るとすごく満足度は高かった。（点数以上です）
まず飯島望未さんのマーメイドが素晴らしかった。純粋さ、一途さ、可愛らしさが全身から溢れ出る踊り、さらに人間ではなくマーメイドという海の生き物を感じさせる動きもあって、振り付けもすごくユニークだったと思う。
プリンスの山本さんはすごくプリンスらしかったし、日高さんのプリンセスは、踊りもさることながらキャラクターもよく表現されていた。

今回、すごく惹きつけられたのが栗原柊さんの物乞い。ジャンプが高い！注目してみたのが初めてだったので、帰って調べてみたらソリストの方なんですね。チェックです。
あと、石橋さんはいつも技術に見惚れる感じですが、今回のシャークもよかったです。この方、正統派の王子様よりも、こういうちょっと癖がある役の方が好きです。

それからセットも良かった。特に海の中の場面はセットとロブスターやらクマノミやら海の生物達のキャラクターダンスも含めてすごく好きな世界観だった。

ちょっと私的に、うーんと思ったのが「マーメイド」のお話自体。ディズニーは実は見ていないのですが、お話自体は小学生の頃にアンデルセンのものを子ども向けに書いたものを読んでいるのですが。まぁ、ぶっちゃけ元々この物語が好きなわけではない。
そして、今回改めて見て、これはダンサーの方々の表現が上手いからでもあるのだけれど、マーメイドのあまりに純粋な一途さと、プリンセスのあざとさと、王子の思い込みのご都合主義（←この考え自体がひねくれてます）に、どうなの・・・って思いながら見ていた心のねじけた大人です。
まぁ、バレエだから踊りが見応えがあれば基本okなのだけど、あまり世界観に入り込めなかったのがちょっと残念でした。

予告が美しくて、バレエに無知識だけど観賞。
舞台装置や衣装が繊細なつくりで目に楽しい。
音響も良い。
素人の感想だけど、全体的にダンサーの技術がプロの中でも高いんじゃないかと思った。
あと、振り付けが面白い。
魚の踊りはおさかなっぽかったし、ヤドカリも衣装込みで素敵だった。
主役級の人たちは当然として、脇役の表情演技もしっかりされている。
良い作品を観せてもらった。