ミュンヘンオリンピックで発生した人質事件を生中継する話。
全編テレビ局の中だけで展開し、外部の様子は中継映像か撮影してきたフィルムでしか確認できない。
そんな閉塞空間での情報の選別。
悠長に待ってられない生放送という場で瞬時にそれを判断しなければならない。
この放送が事件解決の手助けになったのか?
それとも悪化させたのか?
被害者家族を精神的に追い詰めたのか?
ただの視聴率として消化されたのか?
報道によって試されるモラル。
放送という現場の焦燥感とやり切れないモヤモヤがせめぎ合います。
ドキュメンタリーとしてのメッセージ性が強く優れていたとは思いますが、映画作品としてはちょっと平坦な感じではありました。
報道番組を見に行くという気持ちで本作を鑑賞した方が良いかもしれません。