〈実話モノの中でも屈指の出来〉
ドイツのミュンヘン五輪、イスラエル選手団の宿舎をパレスチナの組織が襲撃、パレスチナの捕虜の解放を要求する。選手村にいた米ABCテレビの活躍により9億人が世界初の生中継された「テロ事件」。
ドイツ復興の象徴たる五輪の軽い紹介のあと、一気に事件発生、そのままラストまでジェットコースターのような90分だった。映像は、選手村ABCテレビのオペレーションルームでのシーンが主体で、そこから見えること聞こえることのみ描写され、まるで一緒にオペレーションルームにいるかのように息が詰まるよう。
サラッとした知識しか無かったので、デジカメやインターネットもなく、こういった事件への対応が整備されてないのでさまざまな工夫や失敗が、メディア側や警察に起きていくので全く退屈しなかった(一例を挙げると、宿舎突入を地元の警察が行って、これ以降各国で特殊部隊、スナイパーライフル狙撃班が創設されるように。ゲリラではなく「テロリスト」という呼称もここから？)。
事件を、メディアが報道するということは何なのか？物事のわかる人間がやらないと何が起きるか？ということを突きつけるラストが印象的でガツンと来ました。今期ベスト。
