ゴシック・ホラーの名門ハマー・プロダクションが、レ・ファニュの怪奇小説『吸血鬼カーミラ』を映画化した、いわゆる『カーミラ3部作』の最終章となった作品。
舞台となるのは魔女狩りが横行する村。
魔女狩り団(なのか?)のリーダーである、狂信的な老僧グスタフと、悪魔を崇拝する奔放な若者、カールシュタイン伯爵との対立を描いている。
テンポのいい編集によって、観客を飽きさせることなく、一気にストーリーが進行していくのだが、残念なのは、プロットや演出があまりに簡素で「おーい、吸血鬼カーミラはどこいった?」という様な事になる。
次から次へと疑問が浮かんでしまい、展開に勢いはあるものの、観終わった後の印象は消化不良。
双子の姉妹は『主人公』と呼ぶにはインパクトに乏しく、カーミラ作品に付きものの
お色気(かなり露骨なエロ描写)も本作には無い。
登場人物に感情移入も、作品にのめり込みも出来ず、何とも…例えて言うなら 音は聞こえるけども、肝心の花火は見えない…といった感じの作品だった。