クリーム

コワイ女のクリームのレビュー・感想・評価

コワイ女(2006年製作の映画)
3.8
コワイ女をテーマにしたオムニバスホラー。1は黒沢清の葉月里緒菜を思い出した。あれをエキセントリックにした感じ。2は独創性が強いカルト。しかも柄本佑と香川照之なんで間違いない。3は「ほん怖」っぽい感じだが、原案と監修が清水崇によるもの。全体的にJホラーらしさがあって、オムニバスとしては、見応えがある。B級ながら、2の「鋼」が素晴らしい。カルト的人気があるのが解る。



ネタバレ↓



1.カタカタ
OL加奈子は、バツイチの婚約者田崎晃とデートの帰り道、花瓶につまづき、カタカタと言う音がして、マンションを見上げると、自分が貰ったイヤリングと同じものが落ちてきます。その瞬間から、少女の霊や首に後のある無数の霊が現れ、赤いコートの女の霊に執拗に追いかけられ続けます。少女に導かれマンションの1室へ行くと赤いコートの女に突き落とされました。加奈子は病院ベッドで目覚めます。あの日、田崎と別れた後、飛び降り自殺の巻き添えとなったとの事でした。自殺者は身元不明。退院後、現場のマンションへ行くと少女と母親の霊が現れ、逃げてー!と叫び消えていき、無数の赤い女の手に捕まれ、再び落とされ、下の歩道の加奈子にぶつかるのでした。
赤い女に落とされて、死亡したのも巻添えをくったのも自分だった。

2.鋼
自動車整備工場に勤める19歳の関口幹夫は、社長の妹とデートをする様に言われます。住所へ迎えに行くとボロ屋の中に社長と麻袋を被った女がいて、足は美脚でミニを履いている。それが妹の鋼だと言う。仕方なく出かけると鋼は、暴走します。川に落ちた。仕方なく自宅に連れ帰り、流れでエッチへ。麻袋の紐をほどくと肉片が出て来て、鋼は暴れて逃げ去った。鋼は、関口を気に入りました。
社長は、風呂で鋼の身体を洗います。楽しく会話していたと思ったら、社長は突然止めろと言ってんだろ!と怒り、鋼の
頭を木製のブラシでボコボコに殴り「このバケモンが」と言います。
関口は、仕事を辞め逃げようとしますが、鋼に捕まり、袋の中身に呑み込まれて行くのでした。
工場には「従業員募集若くて”元気”のある方学歴不問、高級優遇」の広告が貼られました。
これは、中々の面白さだった。そして、鋼より兄の香川照之の方が、恐怖だったのは言うまでもない。

3.うけつぐもの
離婚後実家に息子を連れ帰った冴子。だが母は「家に帰れ」ときつく言われる。息子の道男は、蔵で同じ年頃の男の子の幽霊を見てしまう。この少年は、冴子の兄で母が殺した。この家には代々「母親が長男を殺す」という忌まわしい因襲があった。狂っていく母親の無表情が怖かったです。ラストは、掛け軸の絵と同様に冴子が道男を殺し抱き抱えるシーンで終わります。
これは、ほん怖でやりそうな短編でした。

やっぱり、2の鋼。これは、短編でなく1作品として観たい。インパクト大で、発想も演者も素晴らしく、面白かった。これを観るだけでも価値があると思います。
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