お前には撃てない
最愛の人の復讐を胸に、世界を股にかける分析官版ジェイソン・ボーン。お言葉ですが、希望が欲しいなら変化を起こすのはあなた。すべきことが見えたなら、空高く舞い上がれ…。ギークのヒーロー我らのラミ・マレックが ― ポスト『ミスター・ロボット』のまま ― まさかスパイ・アクション大作で主演を張る日が来るとは!
想像を絶する深い喪失から全てを捨てて生涯追われるかもしれない身になり、何より人の命を奪うという一大決心なのに、所謂"普通の人"がそうするという大きな一線を越える上での、共感を呼ぶような主人公の感情の流れ(苦悩・葛藤のさま)が読めず記号的な扱いに思えた。想像を絶するほどすごくエネルギーの要ることだろうから。けど、作品が進むほど次第に"プロフェッショナル"(コッチは原題、向こうは邦題だけどリーアム・ニーソンだし偽り無しまさかの日本同日公開!あとなんだったら『ベテラン』まである!!)らしさは垣間見えて、最後は衣装黒色。
(撮影やプロダクションデザインとして狙ったものだろうが)全編通して些か地味で華に欠けるし、手堅い面白さのご都合主義で新鮮味にも欠けるけど、全くもって嫌いじゃない。むしろ好き、こういうの何歳になっても大好物。入りの設定や殺し方(仕方ないけどそれを予告で大々的にやっちゃうネタバレっぷり!!)こそ新しく・面白くても、他は結構ジャンルあるある紋切り型感で最後の最後まで期待を超えてくる感じはない。最後の勝ち方もあんまり格好良くない。ジェームズ・ホーズ監督らしいトーンもまた安定感。
適材適所とはこのこと。にしても、歩く貫禄ローレンス・フィッシュバーンに追いかけられるの怖すぎ…、見つけ(られ)たとき絶望だろうな。原作未読だけど、続編あったら2人で共闘する様子が見たいな。最大限の激励ヘラー✕ヘンダーソン=最強の師から、最高のパートナーに。あと、他にも豪華キャスト共演だけど、全員出番少なめで薄味。何か見逃しているのかもしれないけど、もっと活躍してほしかった感!長演説のマイケル・スタールバーグに、ホルト・マッキャラニー似合いすぎ…だけど、ジョン・バーンサルはゲスト出演?という意味でも続編に期待。従来であれば男性キャラにしてしまいそうなキャラクターが女性✕2であり、そこに良い意味での現代らしさを感じた。まだまだ追いつけていない気もするから、現実もこうあってほしい。続編製作したらもっと面白くなりそうで観たい!!
P.S. 漫画とかド・フィクションの世界で「IQ200」とか消費されすぎ・聞きすぎて、IQ170の凄さが数値だけではちょっと霞んじゃう問題。
情報源インクワライン
HANDLE WITH EXTREME CARE
私の謎(パズル)をパズルに
This is a yes.
INTO CLOUDS
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何歳になっても抗えないワクワクする"リクルートもの"というジャンル!例えば『リクルート』、『ウォンテッド』など聞きなじみのある一言シンプルなタイトルも含めて、無条件にアガる大好物な大作案件。
パソコンオタクに何ができる?妻を殺した犯人を探し出して自らの手で裁きを下す―。『ミスター・ロボット』など線の細い影のある頭脳派でこういう役どころがとにかく合うラミ・マレック✕これまた『マトリックス』『ジョン・ウィック』などこういう貫禄のある主人公を導く先輩ポジションが板に付きすぎなローレンス・フィッシュバーンと、とにかく適材適所が嬉しい最強タッグ実現!!
ラミ・マレックと言えば日本ではやはり『ボヘミアン・ラプソディ』での素晴らしい演技パフォーマンスが有名かとは思いますが、『バスターの壊れた心』『パピヨン』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『リトル・シングス』よろしく彼であれば既に何度も見ている予告からも伝わってくるように主人公の葛藤や変化、成長も余すところなく繊細かつ大胆に演じ切ってくれるでしょうと信頼しています(後ろで爆発する瞬間の反応もリアル!)。
しかも『マーベラス・ミセス・メイゼル』に『スーパーマン』でもヒロインを演じることで注目のレイチェル・ブロズナハンに、ジョン・バーンサル、マイケル・スタールバーグ、ホルト・マッキャラニー共演で、メガホンを取ったのが『ブラック・ミラー』や『窓際のスパイ』などを手掛け映画『ONE LIFE』も見事だったジェームズ・ホーズ監督という最高な布陣もあって、とても面白そうで楽しみにしています。
ラミの演技がとにかく大好きです。『ボヘミアン・ラプソディ』以来の単独主演!『ボヘミアン・ラプソディ』以来の来日!最高に生き生きと(神経質に?)ラミ・マレックがラミ・マレックしてくれていそうで期待大!!『ナイト・ミュージアム』で存在を知り、『ショートターム』で大好きになり、売れてからも『アムステルダム』『オッペンハイマー』など比較的メインでない役柄であっても彼が出てくるだけですごく嬉しいですし、彼が出ているというだけで観たくなりますし、その作品を好きになってしまいます。どれだけ好きか語り尽くせません。スターあるあるの筋肉隆々になることもなく、むしろ痩せ型・痩せこけた頰で、ハリウッドスター然とはしていないその独特な佇まいや出で立ちに魅了されっぱなしです。