おだんごぱん

ロルナの祈りのおだんごぱんのレビュー・感想・評価

ロルナの祈り(2008年製作の映画)
4.0
偽装結婚で国籍を得たロルナ。
ただ国籍を得るための偽装結婚だったはずが…。

アメリカ映画で「グリーンカード」という作品があったが、大筋は似ているものの、独特の趣のある映画だった。


国籍を求める移民を相手に、偽装結婚を仲介して金儲けをするやくざ者がいて…と、ちょっと薄暗い話です。

ロルナの心境の変化とともに、言動が変わっていく様が繊細に描かれている。

結婚相手としてあてがわれたジャンキー役にジェレミーレニエ💕。「トランプしよう」とか「1日の目標が欲しいんだ」と言って弱々しくすがっていく姿がなんとも可愛いというか、くすぐられるというか…☺️とっても良い感じに響いていた。

そして、今まで観たダルデンヌ兄弟作品で初めてエンドロールに音楽が流れた。ベートーベン最後のピアノソナタ32番第2楽章。しとやかで美しく、そして切ない調べ。このソナタは「輪廻と解脱」とか「此岸と彼岸」とか「抵抗と服従」といった形容がなされるらしい(ウィキペディアより)。映画の内容から、妙に納得のいく選曲。

素晴らしかった。