密通の嫌疑を掛けられた御年寄（二条朱実）の潔白を証明するべく、大奥の女中たちが捜査を開始する。江戸大奥内の犯罪捜査劇を描いている、日活ロマンポルノ。

人気歌舞伎役者をつづらに入れた状態で大奥に届けさせるという、破天荒な事件が発覚。女中から信頼を得ている御年寄・二条朱実に矛先が向けられたため、その派閥に属している片桐夕子、あべ聖、小川節子たちが奮起を余儀なくされる。

全体的に、東映が先行させていた"大奥もの"の模倣という印象。エンタメ要素では、様々なタイプの女中が、殿様の前で踊りを披露して見せる、"女選び"が見どころ満点。端役と思われたサリー・メイが、深層まで介入してくる展開も面白い。

大奥女中は、「殿様の子を産むマシーン」を強制させられる人権ゼロの異世界で、ほんの一握りの尊厳を守ろうとする。そこに、感動と哀感が詰まっている。他の時代劇作品同様、"動く春画"ともいうべき映像美を堪能することもできる。

やっぱりお正月は大奥系ロマンポルノよね。美しき田中真理様のお着物からこぼれる白いお胸で幕開ける2025年、なんておめでたいのかしら。二条朱実おねえさまが唐突に拷問されたり、唐突な流血ブシャーがあったりするけど、東映っぽくはなりきれないところが日活であり林功。二条朱実が花柳幻舟に濡れ衣を着せられ、二条朱実の無実を信じる小川節子や片桐夕子ほか名女優さんたちが真相を探りながら戦う的なお話。キャストが豪華でみんな美しく、起承転結わかりやすくてお正月にのんびり観るのに最適。どこまでも二条朱実様が誇り高く美しいし、絵沢萠子のナレーションも最高。小川節子の許婚がどっかで見たことある超絶イケメンだったんだけどこの人誰。大奥ってシステムはすごいな。

小川節子の大奥ものだが、なぜか今回は豪華jキャスト。田中真理に片桐夕子、二条朱美、サリー・メイ、原英美、続圭子、青山美代子、そして花柳幻舟まで。これで、作品の質が上がるわけではない。いつもの林功監督なのだ。