Ruthe

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-のRutheのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

先行上映なのでいったん映画として評価するのは違うとは思うんですが、前半の絵の作り方とか、音響など、懐かしさを感じさせながらもうまく作っていて良かった。後半との絵の違いはそこまで気にならないというか、よく落とし込んだなあと思いました。前半の緊迫した雰囲気と、説明のない専門用語の連続に「これ受け入れられるのか…?」と思いながらも政治的な思惑や、少佐が行方不明になるところ、「何か」に出会った通信など、伏線が張られている気がしてワクワクしました。後半の始まりも瑞々しい映像、不自由ながらも現実を受け入れている宇宙基地での暮らしが「当たり前」になっているんだというモノローグ、これから新しい物語へのバトンタッチが見事に描かれていてすごく好印象でした。

ここからマイナス評価部分なんですが、前半部分はシャアがイケイケすぎるなとは思うものの、若さで片づけられる程度。ただ、後半の主人公の動機が全く不明で描かれていないことが気になって一切理解できませんでした。若さで片づけられるレベルじゃない。フィクションとは言え、リアリティがなさすぎるように感じました。
塾に通ってて家庭環境はちょっと不自由そう…とはいえ普通の女子高生が、現代で言うと「鍵ついてないからそのあたりにあったスポーツカーに乗って爆走♪途中でもっと早そうな車があるから乗り換えちゃお(しかも運転手が近くにいる)」…のような感覚があり、それは常識としてどうなの…?という感覚が拭えません。

主人公がもう失うものがない無敵の人に近かったり、難民に過剰に肩入れしていて状況が看過できない等、そういう主人公が突飛なことをする動機になりそうな描写がなかったので、人を殺せる大型機械に乗ること…これは元も子もないですが、テクノロジーとか機構的にロック機構がないのか、動かせちゃだめでしょ!っていう…。そういう細かい主人公の心理描写はこれからアニメでされるのかもしれませんが、現段階では「えーっ?」という感想で終わりました。唯一描かれているとしたら、赤いガンダムからのアプローチでしょうか。大きなモノに惹かれる…みたいな。ニュータイプの物語だから…ならもっとそういう「呼ばれる」描写が欲しかったな。

ただ、その赤いガンダムに乗っているヒーロー的立ち位置のキャラは不思議ちゃんで、ヒロイン的立ち位置のキャラクターも流されている芯がない人物像で、あまり好きになれないまま後半終わったなあ。
クランバトルという違法モビルスーツ格闘技に参加することになるんですが、その周りの大人も「ほなそのモビルスーツでやってみなよ」みたいなノリでちょっと尊敬できる人がいないんですよね…。まあ違法バトルでお金稼ごうとするような人だからろくでもない大人なんだと言われればそうなんですけども…。

Gガンダムとかケンガンアシュラじゃないけど、1回1回のバトルものとしてアニメは展開するのかな?それ自体は嫌いじゃないはずなんですが、後半に出てきたメイン登場人物があまりにもフワフワしていて流されやすい人ばかりで気になりました。ニュータイプも覚醒するというよりも最初から持ってたギフト・チート扱いだし、なろうっぽいというか、流行りもののような雰囲気で主人公が無双する話になるならあんまり好きになれなさそうだな。
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