そーた

Dear フランキーのそーたのレビュー・感想・評価

Dear フランキー(2004年製作の映画)
4.3
描ききらない

ジェラルド・バトラーって300のイメージが強くて大味な印象がありました。

この映画。
味のある本当にいい演技を見せてくれました。

父親のいない少年と、
1日だけ父親のふりする役を引き受けた男の交流。

無骨だけれど優しさの伝わるジェラルド・バトラーの演技。
心に響きました。

冒頭は少年とその母親にスポットが当てられていて、
母親は父親の振りをして手紙を息子に書き続けているんですね。

その嘘がばれそうになったため、急遽父親役を必要とします。

ここで満を持しての登場。
ジェラルド・バトラーの登場シーンにはなぜかほっとしてしまいました。

レオニダス王でもない、マイク・バニングでもない。
なんだか素のジェラルド・バトラーがひょっこり現れたような感覚です。

よし、彼なら大丈夫だ。
その安心感を裏切らない、素晴らしい父親っぷりを見せてくれます。

僕が好きなのは少年に海で水切りを教えるシーン。

「最高に跳ねるぞ」

そう言って渡されたまっ平らな石。
少年にとって相当に特別だったんですね。

そして、ラストはちょっと驚きの結末。
母が息子を想う以上に息子も母を想っていました。

結末を迎えたとき僕たちもあの母子と同じ気持ちになっているはず。

母と息子と偽の父。
3人の優しさが一点で交錯した1日。

その続きを敢えて描かないのは、あくまでも優しい嘘を突き通そうという意図なのかもしれません。

嘘がばれてからのお話しは別の機会に。
それはそれで心暖まるお話しなんでしょう。

水切りのやり方を教えてくれるのは、良い父親の条件。
僕も練習しないといけない。
そーた

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