すのもも

ラスト・ソングのすのもものレビュー・感想・評価

ラスト・ソング(2010年製作の映画)
4.2
ウミガメの卵を天敵から守る為に彼女が作ったバリケードは、たとえ孵化が出来ても海まではたどり着くことができないものだった。父がくれた一夏の出逢いが、閉ざした彼女の心を優しく解いて行く。

深みが増してゆくストーリーに自分の心が自然と重なりゆっくりと波にさらわれる感覚。鑑賞後知ったニコラススパークスが脚本であることに納得。

やはり家族愛が一番心に響いた。「海辺の家」でも教えてもらった、愛の形。不器用な父から奏でられる優しく繊細でありながらも全てを包み込んでくれるピアノの旋律、その娘である彼女の演奏もまた今作のテーマである「愛」の美しさと重った。彼女の弟くんもまた優しくて素直で、彼の成長して行く姿にも勇気をもらった。

ラストで光る協会のステンドグラスは、孵化したウミガメの進む道を照らす月の光のようにも思えた。
素直に、出逢えてよかったと思える作品。
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