海辺の街に一人で住んでいる元夫の家にある夏の始まりの日、妻が娘と息子を連れてくる。
どうやら、この夏、子供達はお父さんと過ごすらしい。
小学校高学年くらいの息子はパパとの再会を喜び、今から始まる生活にもワクワクしている。
一方高校生の娘は、明らかに不満。久し振りに会う父と挨拶さえも交わさない。
父は作曲家らしく、娘もピアノの才能があるが、音楽学校への進学を拒んでいる。
彼女が多感な時に父と母が離婚し、それにずっと反発している。
タイトルが「ラストソング」
序盤のふりで、これからの展開や行き着く所がおおよそ見当がつく。
そして、その通りに進んでいく。
ビーチで出会った若者との恋。
なぜ、父は子供達を呼んだのか、
とてもオーソドックス。
でも、それはそれで悪くない。
一つずつの場面やディテールをきちんと撮っているから。
ウミガメの卵🥚
息子と父の探偵ごっこ
水族館デート
心を拓き合う父と娘
幾度かの喧嘩と別れから、愛を育てる二人
例えば、終盤の息子の感情の昂ぶりなんかは、気持ちの伝わるいいシーンだった。
人生、失敗することもあるけど、やり直しはできるんだ!的アメリカ映画の幹みたいなものが本作からも見えてくる、とびきりではないけど、オーソドックスな良心作。