「ヒッチコック/トリュフォー」で紹介させていて、未見だったので、見放題からチョイスしました。
冒頭、ヒッチコック自身にやる解説付き
「私の作品の中でも特に怖い話です。なぜなら、実話を元にしているからです!」
観終わってから、じっくり思うと、
非常に皮肉に富んだヒッチコックらしい
意味深い言葉だ。
私はミステリーばかり撮ってきた。
でも、それは、言わば「作り物=フィクション」なのである。
この世の中で、
「実話=ノンフィクション=実際の人物が起した、起きたこと」が最も怖いのである、という強いメッセージが込められているのであろう。
って、考えると、強く誇張されたミステリー描写は、本作ではあえて抑えて、
実話ベースのスタイルを貫いている。
連想したのが、周防監督作「それでもボクはやってない」だ。
無実の罪、思い込み、誤解
人はどうしても、その失敗をしてしまう!
「あの人のようだ」
「おの男に違いない」
「あいつに決まっている」と
トーンをどんどん上げてしまう。
本作では、主演のヘンリーフォンダが
見るからに、善良そのもののミュージシャンとして登場する。
かけられている疑惑とのあまりにもの
ギャップが痛ましい。
収監された時の彼の表情と彼の目線を追うカメラ、
当たり前のようなシーンだけど、実に丁寧に作られている。
「ヒッチコック/トリュフォー」で紹介された、善と悪が交錯するシーン、
先に解説を聴いてしまっているので、
「確かに、、」という印象だったが、
簡単に見えて、豊かな表現力なのだと思った。
奥さん役のヴェラ・マイルスが美しく、痛ましい