TAAF長編コンペ。
冒険映画に憧れる少年アンジェロは、病気のおばあちゃんを見舞う旅の途中、迷子になってしまい、おばあちゃんの家を目指して一人で森を突っ切る決意をする。
ところが不思議な光る生き物と出会いついて行くと、摩訶不思議な森に導かれてしまう。
これも先日の「あめだま」同様フレームレートを落とし、人形アニメーション的なテイストを狙ったCG作品なんだが、主人公の妄想の部分はセルアニメだったり、静止画で紙芝居的に見せてる部分があったりと変幻自在。
主人公が冒険する森も、オーグみたいな古の種族がいたり、喋る動物や昆虫がいたり、宇宙人に侵略されていたりと、もう何でもありなアナーキーさで、現実の世界とは時間の経ち方も違う。
ジブリやディズニー作品へのオマージュも散見され、とにかく作者たちが自分たちの好きなものを、これでもかと詰め込んだおもちゃ箱のような賑やかな作品で、エンタメ方向に完全に振り切っている。
とは言え、主人公の成長物語としてはきちっと成立させているし、伏線も全回収しているので、実は相当にロジカルな脚本。
禅問答に悩む車のナビのAIとか、細かなサブ要素も面白かった。
イルミネーションもフランスで作ってるし、フランスのCGスタジオのキャラクターアニメーションはほんと実力高いわ。