エンターテインメントに徹したアクション映画として1つの到達点だと初見で思ったものだが、その考えは今でも揺るがない。流れるように展開する物語と間断なく盛り込まれた迫力あるアクション、スピーディ且つスタイリッシュなカット割りは勇壮感溢れるハンス・ジマーの手によるスコアと相俟って終始観る者の胸を高鳴らせる。街なかを破壊し尽くすカーチェイスシーンのなんと素晴らしいことか。
ところで、ニコラス・ケイジ演じるグッドスピードが捜査官を装って追跡する下りで構えるベレッタ92FSが銀色の仕様だったのに対して、アルカトラズ島潜入時には黒になってる。見てくれだけの甘さの見えた前半と覚悟を決めた後半のコントラストが感じられて個人的に好きな演出だ。