坂道を落ちていかない荷車。
子供たちはそれぞれ好きな色の服を買い
タクシーに乗ってそのまま波に揺られる。
減らないジュースはザクロとイチゴとベリーの味で、美しい人は振り返ると花嫁に。
ボートに乗り、泳ぎ、砂浜で寝転び、
海の詩を暗唱する。
海も自由ではないと、
そう暗唱する。
これは子どもの無邪気なファンタジーだろうか。
レバノンは、経済危機や政治不安、テロ、紛争、近隣のシリアなどからなだれ込んでくる難民問題により深刻な状況にある。
日本政府は渡航を制限している。
このショートフィルムに描かれるのはカラフルで穏やかで明るく自由な子どもの冒険。見守る優しい大人の目。
現実との対比を思う時、この明るい映画がたまらなく切ない。