くろゆり

暴力脱獄のくろゆりのレビュー・感想・評価

暴力脱獄(1967年製作の映画)
4.0
脱獄モノって、思いもつかないような手段を使ったり 途方もない根気で成し遂げたりと、「いかに」脱獄するか に焦点が当てられたものが多い気がする。
一方この映画は、それよりも「絶対に服従せず、諦めない」というメンタル面を中心に描かれている。直接には語られないが、従軍した際に 体制側の欺瞞に嫌気が差したのだと推測。その不屈の精神に動かされ、囚人仲間から英雄視されていくのも自然。
「長いものには巻かれろ」思考に侵されて、多くの日本人から失われてしまった反骨精神に 憧れのようなものを感じた。
『暴力脱獄』という邦題からは、上記のことが読めないので残念。
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