鳥になりたい人達のドキュメンタリー映画

アリストハネスの戯曲を基にしながら「鳥になる」ための9つのステップになぞらえて映画は進行していく。鳥になる=「ここではないより良いどこかへ行く」という思想をベースに始まり、『鳥』の演劇が製作されていく。超越的な個人の思想が演劇と接続され、ある意味コミュニティ的でもある空間の中で「鳥になる」方法を模索する様子は面白い。が、一方でそれらの様子と個人の思想を提示するだけに留まりテーマの深堀りがされなかった印象。しかし社会などの個人を縛り付ける物の最も大きなものが「重力」であり、人間の困難さ=鳥への憧れに観客自身をも直面させるような構成は確かに見事であった。

【】
空を自由に飛びたいな、なら鳥になればよい!

鳥に憧れる人の肖像を通じて｢自由｣とは何かを考察する前衛映画。鳥には国境がなく、自由に飛び回れる姿に羨望を抱く描写がこの世の閉塞感を捉えている。