エルンスト・ルビッチ監督の第2回米国作品。こちらも澤登翠さんの活弁入りを鑑賞しました。題名から想像するようなお堅い感じは全くなくて、ルビッチらしさ満載のユーモアの溢れるとても楽しい作品でした。
良いタイミングで色々な誤解と勘違い、すれ違いが起きる。その様子はまるで絡まっていた糸を解こうと踠いたらさらに絡まってしまったときのようだった。なんとも分かりやすく滑稽だけど、とても楽しめる。
視線がとても上手く使われていて、サイレント映画の良さがつまっている作品なんじゃないかと思いました。
ユーモレスクが軽快さを生み、さらに笑いを誘う。フランツには気の毒だけど、彼が振り回される様子はいつまででも観ていられるんじゃないかというくらい愉快で、分かりやすく慌てるところや流されてしまいそうになるところが純粋で面白い。
ミッツィは夫にも親友にも悪いことをしているけど、賢さとタイミングの良さは感心してしまうほど。
笑えるシーンは沢山ありましたが、個人的には澤登さんの「好機到来!」という一言が一番笑えました。
エッグスタンドとティーカップだけが映るシーンとラストシーンが好きです。
(メモ↓)
靴下に空いた穴にも似たほころび
梢に戯れる風の音優しい
夏の夜は甘美
この夜月もまた美しき誘惑者に手を貸すのであります