フリーザ

シックス・センスのフリーザのネタバレレビュー・内容・結末

シックス・センス(1999年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

シャマラン監督作を全て観た流れで再鑑賞。
シャマランの代表作であり最高傑作。
ホラー2割、ドラマ8割位の割合の作品。

血まみれの幽霊が出てきたら怖いけど、なんで血まみれなのか幽霊の境遇考えたら悲しいよね、みたいなホラーの持つ恐怖と悲哀の両方の面を上手く描いている。

各所でネタバレされ過ぎていて初めて観た時も「ブルース・ウィリスは既に死んでる」ということを知っていた為あまり集中して観ていなかった気がする。
が、そのどんでん返しも勿論面白いが今作の肝は結局のところドラマパートにあるなぁと。

マルコムはコールを救おうとして実際コールは幽霊と対話をし彼らを救うという道を見つけた事で自身も救われる。そしてコールは幽霊であるマルコムを救う。この2人の優しい関係がとても良い。
2人にとってのラストシーンの「またあえるふりをして」はホラー映画屈指の名台詞ではなかろうか。

またコールと母親の関係も切なく、トニ・コレットの色々疲れ切っていて息子に辛く当たることもあるけどそれでも愛を注いでいる演技は流石。

既にいい感じの人が出来ているものの今も結婚記念日に思い出のレストランに行ったり結婚式のビデオを何度も観ているマルコムの奥さんもまたいい。


勘のいい人なら「マルコムは既に死んでる」ということに途中で気づきそうではあるが、それにしてもカットの仕方やカメラワークなんかで上手いことそれらを感じさせない様な作りになっていて面白い。
大人が向かい合って座ってるシーンを映すだけで「この直前に何かしらの会話があったんだな」と脳が勝手に補完してしまうのを感じた。

また役者をやっているという同級生のトミーをやたら引っ張ったりと、ちょっと笑える要素もありこの辺はシャマランなりのユーモアが出ているがそれも話の腰を折ったりしない絶妙な塩梅で良かった。

映画全体に立ち込めるひんやりと冷たい空気と悲しいんだけど愛情を感じる暖かさ、どちらも素晴らしい名作だと思う。


2018.2.2
2023.10.24
フリーザ

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