凛太朗

Love Letterの凛太朗のレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
4.3
当時25歳くらいの中山美穂さんは、今の私より10歳ほど若いわけだが、あれは惚れる。
岩井俊二特有のファンタジックな画の美しさも相俟って美しい。

渡辺博子(中山美穂)の亡くなった婚約者、藤井樹の卒業アルバムを見ていたら、彼が昔住んでいた小樽の住所が載ってあって、あてもなく手紙を出してみたら数日後に何故か返事の手紙が。
なんと、博子が手紙を出した相手は、樹と同姓同名で同級生の女性なのであった。

冒頭からすごく美しい雪景色と中山美穂とREMEDIOSによる音楽。
さっそく岩井俊二の創造する世界に連れて行かれるわけですが、最初は結構混乱させられました。
登場人物の台詞をちゃんと聞いてたらわかることなんだけど、ん?あれ?何これ?わけわかめ!ってなっちゃいますわね。
これも岩井俊二の特色の一つですけど、頻繁に手持ちカメラ使ってるお陰で、ガンガンに手ブレしてるし、ついでにこっちの脳みそまで揺らしてくるので、余計に???ってなっちゃう。
同姓同名とか、ドッペルゲンガーとか、少々強引とは言え話にグイグイ引き込まれました。

小樽の自然が美しいと同時に厳しくて、同様に樹の過去は甘酸っぱく美しいけど、寛子の現実は非情で厳しいものだったりもします。
雪原に響く「お元気ですか」のリフレインには何故か涙がこみ上げてきた。

プルーストの超長編『失われた時を求めて』の第7篇『見出された時』の使い方も秀逸。

中山美穂の相手役として豊川悦司が出てますが、イメージと違って関西弁上手すぎひん?と思ってたら大阪出身でした。
映画デビューとなる柏原崇と酒井美紀が出演してますが、酒井美紀だったか坂井真紀だったか水野美紀だったか水野真紀だったか混乱しちゃうよ!なんて話は置いといて、どっかで見た顔やなぁ。と思ったら蘭々やんけ!
凛太朗

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