凛太朗

ジョーカーの凛太朗のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
スコセッシとデ・ニーロのタクシードライバーとキング・オブ・コメディのオマージュっていうのは、観たらそれはそう。ってなる。
にしてもブラック・ユーモアが凄い。今の時代、悪趣味と言われても仕方ないと思うけれど、物は見方、捉え方である。
ホアキン・フェニックスの怪演は言うまでもない。

僕にとって生きることそれは、お前らにとっての死ぬこと。
この世界が僕らを創り出して、この世界に僕らは殺された。
よろしく、『この人生以上に高価(硬貨)な死を」っことで。アーサーは潜在的には自殺志願者である。だからリンチされても無防備のまま。

ピエロだからピエロをやってんのか、ピエロ以外で生きる術を見出せないのか、笑われたいのか、笑わせたいのか。物事には硬貨と同じように裏表が存在するのね。悲劇と喜劇みたいにね。
チャップリンのモダンタイムスが劇中劇で使われてたけど、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である。」とはそのチャップリンの言葉。
何が言いたいのかと言うと、物事の価値は他人が決めることじゃなくて主観で決まる。善悪であろうが生死であろうが何であろうが。
凛太朗

凛太朗