きゅうげん

エルム街の悪夢/ザ・ファイナルナイトメアのきゅうげんのレビュー・感想・評価

2.9
ある矯正施設に記憶喪失の浮浪児が収容される。不思議な夢の共通体験から、職員のマギーは施設の少年少女たちとともに彼の手がかりを探ろうとする。しかし、それはすべてフレディの鉤爪のうえで……。

フレディ・クルーガーの幼少期やその事件の原因、隠された実娘の存在など描かれなかったオリジンを深掘りする、総決算的趣向です。
……が、ちょっと色々お粗末すぎる。
「街のすべての子供達が殺され、すべての大人たちは発狂した……」というフレディ勝利スタートにはズッコケ。
野外ロケ場面は予算規模がそのまま撮影規模にあらわれていますし、演技の温度も脚本のセリフもちょっとアラが残りすぎ。ジョニー・デップのカメオ出演も一番良くない“ザ・カメオ出演”って感じ。
なによりの問題はギャグ。悪趣味残酷表現のつまらなさには100歩譲るとしても、冒頭の引用文とか最後の追悼文とか、映画の外側からボケはじめたら(しかもそれがスベってたら)、いよいよオシマイでしょ。

ずーっと妙に好戦的で、その理由であるトラウマがチラッと垣間見えたトレーシーが最後までサバイブしてくれたのが、数少ない嬉しいポイントでした。