・ジャンル
スラッシャー/ホラー/ダークファンタジー
・あらすじ
様々な事情を抱えた不良の少年少女達が集まるオハイオ州の未成年者矯正所に引き取られた身元不明の少年
便宜上、”ジョン・ドゥー“と名付けられた彼は自身の家すらも覚えておらず唯一記憶に残っているのは彼が地元で唯一の未成年者だったという事だった
指導者のマギーはその情報と所持品の中にあった新聞の切り抜きを手掛かりに彼の故郷はスプリングウッドという町である事、記事に載る女性と何らかの関係がある事を突き止める
やがて眠る事を恐れるジョンの夢がマギーの夢と酷似している事も判明
催眠療法を専門とする施設の医師ドックの勧めもあり彼女はジョンを連れてスプリングウッドへ向かう
そこには施設を抜け出す為に潜んでいた収容者の3人もいた
3人を施設に帰らせジョンの身元や記事、そして夢の謎を解き明かすべく調査を開始する2人
しかしこの町はどこかがおかしい
未成年者どころか若者が1人もおらず住民は誰もがまともな様子じゃない
その上、3人は施設に帰るどころか町から抜け出す事さえ出来ずにいた
やがて3人の内、2人が怪死
全ての元凶は夢に巣食う殺人鬼フレディによる物と分かるのだが…
・感想
夢に巣食う殺人鬼フレディ・クルーガーを描くシリーズ6作目で完結編
今作ではフレディの子供の存在や知られざる生前、能力のルーツなどが描かれており、初めて人間だった頃の彼が登場
加えて1作目で役者デビューを飾ったジョニー・デップがカメオ出演している
3作目以降、徐々にコメディ化していたのでそこは別に良いとしてフレディの生前や能力のルーツ、子供の存在など重要な事ばかり扱う作品にしては作りが雑だったなぁ…というのが第一印象
前作まではまだ主要人物のキャラクター性や特性などが描かれていたのに対し早々に悪夢の世界が描かれ始めたり、ゴア描写も弱めだったり…
補聴器を細工して聴覚過敏にさせて爆死させるというのは嫌な攻め方で嫌いじゃなかったけど以降はコメディとダークファンタジーの間を行ったり来たりする感じでやはりどっち付かずで微妙…
話の進行が早いのは良い事だけど雑にやるのは違うじゃん…
そしてフレディの過去にしてもかなり駆け足の夢での回想で描かれるのみでマギーとの縁も少ししか活かされない始末…
マギーと行動を共にする収容者トレイシーと医師ドックも見せ場が少なくて印象が薄いし…
そんな中でも個人的に良かったのは未成年者がほぼ全滅して夢に囚われ気のおかしくなった住人達の様子
言動や行動の支離滅裂さが「パプリカ」みたいでシュールさと不気味さをもっと強くしてればより良かったかなぁ、と
いよいよ次作の番外編がオリジナルシリーズの最終作
今作の時点でで締め括りを匂わせる様なタイトルや過去作に触れる台詞などがあっただけにどうオチをつけるのか…
何にせよコメディでもダークファンタジーでもスラッシャーでもホラーでも何でも良いからどこかに突き抜けていて欲しいな…