おだまき

ゲームのおだまきのレビュー・感想・評価

ゲーム(1997年製作の映画)
3.5
地位と名声を手に入れ、プライドが高い投資家の主人公。主人公は誕生日に弟からゲームの招待状を受け取る。ゲームの参加テストを受けた日を境に、周囲で奇妙な事象が続発し···。


話の展開は魅力的で引き込まれましたが、話自体は好きになれない不思議な作品でした。


以下ネタバレあり







私は大がかりなサプライズが苦手です。テレビ番組で芸能人をわざと困らせるドッキリは辛いので見るのを避けています。フラッシュモブのプロポーズは、断りずらそうと気まずい気持ちになります。
また、ドッキリやサプライズは受け手が逆上すると"興醒めだ"と受け手を非難する状況になりうるのが苦手です。

大規模なサプライズは、主催者側のエゴを感じてしまうのです。

この作品も、そんなドッキリやフラッシュモブプロポーズを見ているようでモヤモヤしました。
安全管理は出来ていたとは言うものの、遊戯で済ませられない器物破損や行為があったように思います。

本作品は"ゲーム"の全貌が分からず、主人公の心情に近い形で物語が進みます。そのため主人公に感情移入し、このゲーム参加者が自分なら···と考えてしまいました。私ならネタばらしされても許さないし、訴訟も考えます。


一方で"兄(主人公)の根本的な価値観や考えを変えるため"という弟のゲームを企画した動機はとても共感出来ました。
プライドが高く、自分が他者より優遇されるべき人間と考え、それを叶えるための地位も富もある主人公。その振る舞いは町や職場で時折遭遇するクレーマーのようでした。
"他人に変わって欲しいのなら、まず自分が変わりなさい"というガンジーの名言にある通り、他者の言動を変えることは非常に困難だと思います。

本作は映画作品であり"フィクション"ですが、現実でも本作くらいの衝撃がなければ他者の考えを変えることは難しいのかもしれません。

2023-16
おだまき

おだまき