西暦2027年ロンドン。世界中の人類が繁殖能力を失って10年以上経過し、移民問題で国内の治安は悪化していた。主人公は元妻に、とある女性の保護を託される。その女性は妊娠していた···。
オープニングからグッと引き込まれ、
長回し場面とエンドロールで泣きそうになりました。
設定が曖昧なまま終わる部分が多かったですが、その分「子は宝だよな!!!」という伝えたいテーマが前面に出ててよかったです。
以下ネタバレあり
世界観がいい。暗いディストピアな雰囲気がロンドンの街並みと合っていて好き。"子どもが生まれない"という設定もあり得そうでぞわっとしました。
一方で、子どもが生まれないことで移民より女性の人権が危ういのではと思ったり、反政府組織の内情が始終ふわふわしてたり。あり得そうな未来だからこそ「あれ?」と設定の詳細に引っ掛かかりました。
個人的には、設定詳細を説明するほどテーマがぶれそうだから、あえて描かなかったのかなーと解釈しました。設定をもう少しシンプルにしてもよかったのでは?とは思います。
「子は宝だよな!!!」という思いが前面に出ててよかったです。
中盤の廃校での会話、ブランコを漕ぐ妊婦の姿に切なくなりました。
後半、ビルから出る主人公達と、争いを止めて赤ん坊の姿を見つめる人々の場面にグッときました。宗教絵を見てるよう。
エンドロールで子どもの声が聞こえた時、泣きそうになりました。
最後30分よかったなー。
人生楽しんでるおじいちゃん、とても良いキャラクターで好きでした。移民の扱いが酷すぎて反政府組織の言い分も分からなくはないけど、あのおじいちゃんの最期で賛同するのは無理だと思ったな。「女と犬が死んでる」って台詞から、安楽死薬を妻と飼い犬に飲ませて苦しまないようにしたのかな。切なかったー。
2025-3