アキラナウェイ

ゲームのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ゲーム(1997年製作の映画)
3.6
デヴィッド・フィンチャー監督作としては、「セブン」(1995)と「ファイト・クラブ」(1999)の間、1997年に公開され、前後の作品が何せ傑作なもんだから、何故か見逃していた本作。興行的にも不振に終わり、失敗作とまで評されたそうな。

タイトル通り、手の込んだ"ゲーム"に巻き込まれる男の悲劇。

サンフランシスコの投資銀行経営者ニコラス(マイケル・ダグラス)は、48歳の誕生日に弟のコンラッド(ショーン・ペン)から"CRS(Consumer Recreation Services)"という会社が提供する"ゲーム"の招待状を受け取る—— 。

参加すれば人生観が変わるとまで言われる"ゲーム"。

半信半疑で入会テストを受けるニコラス。

しかし、次第に"ゲーム"と呼ぶには、あまりに危険で不穏な出来事が断続的に続く事で、ニコラスは現実と虚構の狭間で苦しむ事に…。

神経衰弱
四面楚歌
疑心暗鬼

追い詰められていくニコラス。

父親の自殺に準えたように中庭に放置されたピエロの人形。自分に対して語りかけてくるニュースキャスター。身の危険を感じる程の危機。そして、狙われた預金残高。

冒頭は、ざらついた8mmフィルムの粗い映像で描かれるニコラスの幼少期。鬼才デヴィッド・フィンチャーらしく、不穏な空気がぷんぷんと漂う。

しかし「セブン」や「ファイト・クラブ」と比べれば、それらとは劣って見えてしまうのも確か。いやいや、単体で言えばこれも十分及第点のクオリティではあるんだが。

狂気の淵に立たされたマイケル・ダグラスの真に迫る演技も、ニコラスと対照的な性格の弟コンラッドを演じたショーン・ペンの存在感も、どちらも悪くない。

でも!
それでも!!

後はネタバレ含みますので行間空けるでやんす。













タラーン。

はい、ただのお誕生日サプライズでしたぁ〜。

いやいや、怒るよ。
僕、この手のドッキリは好きじゃないわぁ。イタズラにしては手が込み過ぎているし、騙された側で観ているので、全然楽しくないんだけど!!

唯一良かったのは、"ゲーム"を体験した事により、ニコラスが以前に比べ、良い人間になった事。

どんでん返し系ではあるけど、オチがこれじゃ、前後の傑作と比べて見劣りするのも無理はないか。