オイオイオイ

ゲームのオイオイオイのネタバレレビュー・内容・結末

ゲーム(1997年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ゲームの正体は9章の25節と言われているが、
39節の「わたしがこの世にきたのは、さばくためである。すなわち、見えない人たちが見えるようになり、見える人たちが見えないようになるためである。」も
含めて価値観の洗浄を目的としたものに思えた。

結末を踏まえて振り返ると、所持金が少ない中でのヒッチハイクなど多少無理のある願いも基本的に通っており、ゲームの要素はあった。
ただ、それを感じさせないほどに描写が素晴らしかった。
まず、主人公を取り巻くキャラが絶妙に他責思考のやつばかりなので黒幕の存在を勘繰らせる。
次に立体感のある構図は人物の動きだけでなく、
その奥で何かあるのではないかとニーチェの深淵をのぞく時〜よろしく没頭させてくれる。
1シーン単位で相当練られていることが伺えるカメラワークはフィンチャー作品を観る上で
求めていた要素を溢れるほど注いでくれた。
そして、この立体感に伴って効果音の反響も大きくなっていた。空間の広さと相対的な孤独感が作品に加わって、総評として全体的に淡々としながらも湿り気のある気色悪くて最高の映画だった。
オイオイオイ

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