KIDSは、90年代のニューヨークを舞台に、奔放で破滅的な若者たちの姿をドキュメンタリーのように描き出した問題作で今は中古市場でしか買えない見れない作品。当時のリアルをえぐり出すそのスタイルに、10代だった自分も衝撃を受けた記憶があります。
自分にとって、彼らの無秩序な毎日はあまりにも遠い世界の話でした。けれど、同時にどこか通じるものもあった。90年代の東京も、ストリートカルチャーが一気に広がり、大人に理解されない「若者だけの空間」が確かに存在していたからです。スケートボード、グラフィティ、渋谷や原宿の雑多なエネルギー。もちろん『KIDS』のような過激さはないけれど、どこか閉じた世界で自由を求めていたあの感じに共感する部分は多かった。その何十年後原宿で写真展があったのは感動すらした。
ラリー・クラークが描く『KIDS』の凄さは、どんな時代にも通じる「青春の不安定さ」を切り取っているところだと思います。無鉄砲で、刹那的で、でもどこかで自分たちが何かを壊しながら生きていると気づいている。自分も10代の頃、そんな空気の中で友達とつるんで、社会や大人の価値観から逃げ回っていたような気がします。
ただ、40代になった今見ると、この映画は決して「懐かしい」だけでは済ませられない。あの時代の危うさや、無知ゆえの暴走を目の当たりにすると、逆に自分たちの世代がちゃんと次の世代に何を伝えられたのかと考え込んでしまいます。『KIDS』の若者たちは当時の象徴でありながら、今の時代にも通じる普遍的なテーマを突きつけてくる。10代の頃はただ衝撃的だと感じただけの作品が、今ではより深く考えさせられる映画になりました。
SUPREMEとかこの頃渋谷、恵比寿で取り扱ってる店2、3店舗しかなかったし
Zooyorkとかも。
あの頃感じた「自由」と「孤独」、そして今感じる「責任」と「後悔」。『KIDS』は、世代を超えて何かを訴えかけてくる、そんな映画ですが胸クソと最低がつきまといます。