このレビューはネタバレを含みます
独裁政権の中枢で繰り広げられる緊張感たっぷりの政治ドラマ。誰が味方で誰が裏切るのか、権力に取り憑かれた人々の姿に圧倒されながらも、心のどこかで「これが国のリアルだったのか」と背筋が冷える作品でした。
一緒に見ていただきたい作品があるので2つをまとめてみます。
そこからの流れで観たいのが『ソウルの春』。KCIAが韓国の暗黒時代を描いたのに対し、ソウルの春はそこから抜け出そうとする民衆の物語。民主化運動という一見硬そうなテーマだけど、若者たちが必死にもがく姿は、どこか今の時代にも通じるものを感じる。腐った権力に抗うエネルギーや、自由を求める熱量がビシビシ伝わってきて、胸が熱くなる。
この2本を続けて観ると、独裁の時代から民主化に向けた動きまでが一本のストーリーとしてつながって見える。『KCIA』で感じた「これが歴史の闇なら、次はどんな光があったんだろう?」という疑問が、『ソウルの春』でしっかり解消される感じ。もちろん、どちらも簡単な話ではないし、当時の人たちがどれだけ苦しかったのかを思うと、いろんな感情がこみ上げてくるけど、それだけ深いメッセージがある作品なんだと思う。
この2作品を観た後、今自分が生きている時代のことを考えずにはいられなくなるはず。歴史を知ることで未来をどう作っていくべきか、そんなことを若い世代にもぜひ感じてほしいです。