KAZU

KIDS/キッズのKAZUのレビュー・感想・評価

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)
4.0
90年代のユースカルチャーにおいて、最重要な映画作品と言えば『トレインスポッテイング』である事に異論はないと思う。当時のイギリスが抱えていた若年層の貧困、薬物問題、失業率や犯罪率などを余す事なく曝け出し、当時のクラブカルチャーの熱気や、ダンス(クラブ)ミュージックがロックンロールを飲み込んだ音楽的な転換期にもなった、時代を象徴する作品でした。その、トレスポに並び称される、NYからの返答がラリークラーク監督の『KIDS』だ。

『時計仕掛けのオレンジ』などとも比較されることもあるが、個人的にはより生々しい『アメリカングラフィティー』です。セックスとドラッグとエイズ問題とLGBT差別と暴力が『KIDS』たちの一日に全て詰まっています。トレスポよりも虚無的で退廃的に。

舞台がNYの貧困地域なので、当時のポストパンクやハードコアのBGMが作品の暴力性を表している感じがします。

ストリートのカルチャーやファッションと映画を結びつける方はマストの伝説的作品です。公開当時から長らくDVD化されておらず、一部の海賊版を高額で取引されていた作品。わたしも当時VHSで観た以来の鑑賞ですが、今見ても衝撃的です。

1995
2018.10.4
2021.1.11 早稲田松竹
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