皿鉢小鉢てんりしんり

影なき淫獣の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

影なき淫獣(1973年製作の映画)
3.5
いたって普通のジャーロなのだけど、まあ及第点はちゃんと取ってくるといった感じ。
教会の中みたいな空間で美術の講義をしているシーンから始まる。椅子はあるが机はないので、ノート取ったりしないのだろうか。
女子大生3人がヌードで家の外で寝ているショットのやたら様式ぽい絵作りと、配達に来た若い兄ちゃんがドギマギ、という下らない繋ぎがほんと良い。その後もうちょっと年増の女が階段で足をくじく、とかその後のサスペンスをやりたいだけで無理矢理入れたくだりなんだろうが、勢いがある。
電話が通じない、からのインターホンが鳴って開けるとステファノ、かと思ったら死体でばんと倒れて後ろから犯人、ぎゃあ、となったらもう次の朝のカットに繋げる。死体処理に勤しむ犯人と、1人足を挫いた女が息を潜めながら助けを呼ぼうとする展開、サスペンスとしての盛り上げは良いのだが、結局この女が何かしたことが先の展開に繋がらないのがやや消極的なエモーションに落ち着いてしまう。ドアの外側に刺さっている鍵を、内側から落として新聞紙で拾おうとするのは面白いが……
最後はお決まりの幼少期のトラウマ=犯行の動機、展開と助けに来た男の雑な物理バトルで解決、その辺には特に惹かれる要素はなし。