皿鉢小鉢てんりしんり

放浪記の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

放浪記(1962年製作の映画)
3.6
これは完全に高峰秀子力が押していて、成瀬演出みたいなものはだいぶ鳴りをひそめている気がする。でもまあ小説書いてる時の顔が1番美しい、というのはちゃんとそう見える説得力で撮られているからやっぱり流石のプロ仕事なんだろうけど。
東宝の記念映画としてオールスターキャストということでみんな芝居が良い。特に伊藤雄之助の飄々とした文学崩れ感は見事。
高峰秀子=林芙美子が詩を書いてる理由を聞かれ、「自分は絶対にこれ(今やらされている仕事、生活)だけじゃないんだ、という意地だけで書いている」と言うセリフがあり、不覚にも泣いた。