皿鉢小鉢てんりしんり

22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

3.6
『はるかノスタルジィ』や『さびしんぼう』に連なる大林お得意の2世代恋愛譚、なのだが2006年バージョンということで尾道や小樽のような古都が甘やかなノスタルジーに誘うスキは一切なく、ニート、援交等の一昔前のキーワードが突き刺さる。大林はなんだかかんだ社会を見る目があるな、と思ったのは貧困学生のやってるバイトが荷物の配達、というところ。この辺りは全く古びていない。
とはいえ一通りの事件が収まってから、事後処理のようなシーンがひたすら続くのはちょっといただけない。
葉子がちゃんと昔の学生に見えて、写真撮る時の「美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに映りまーす」なんていう調子乗ったセリフが魅力的だった。対照的に花鈴の良さが全くもって分からないが2006年の女であることは間違いない。