ルサチマ

夜のたわむれのルサチマのレビュー・感想・評価

夜のたわむれ(1966年製作の映画)
4.3
昔読んだジョン・ウォーターズのエッセイでこの映画についてチラッと触れられていてずっと見たかった一本なので日本語字幕付きの35mmフィルムで観れるという体験が嬉しかった。内容は最早全く把握出来てないのだが、60年代の女性監督(女優のイメージが強いが)による北欧映画でプロジェクターを人体投影させてみたり、パーティ会場で死産するという緊急事態の背後で誰かが「キリストの誕生」を朗読していたり、異常に陰影のついた仰角のアングルの撮影があったり、一筋縄ではいかぬ内容と撮影のコラボレーションにひたすら動揺する得難い映画体験をした。中原昌也とジム・オルークの対談は今回も昨今の映画への悪口がいっぱい溢れていて爆笑。文句ばっかりの中に、時々本当に好きな映画と音楽の話が弱音みたいにふっと出てくる人たちの会話を聞くと、好きなものとの距離感の取り方がすごく良くて、自分も何か対象との距離をそういう風に取っていたいと思える。
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