ジミーT

実相寺昭雄監督作品 ウルトラマンのジミーTのレビュー・感想・評価

5.0
この映画を観ると、ウルトラマンがヒーローでも何でもなく、資源循環局怪獣系対策部一般廃棄物対策課の一職員に見えてきます(注1)。近年「大怪獣のあとしまつ」という映画(注2)がありましたが、この「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」こそが「大怪獣のあとしまつ」だったように思います。それが実相寺監督の狙いだったかどうかはわかりません。しかし初代ウルトラマン製作当時、実相寺監督のセンスと特撮班の間には確執もあったようで(注3)、それがこのような変化球的作風に反映していたのかもしれませんね。

スコア5.0は「スーパーマン」に沸く1979年当時、こんなマニアックなものを製作・公開した製作陣に捧げるものです。
このオムニバスができるのなら、「山田正弘脚本作品ウルトラマン」とか、「金城哲夫脚本作品ウルトラマン」も作ってほしかったなあ。

注1
我々の廃棄物に対応している資源循環局の職員の方々こそヒーローなのかもしれません。すみませんでした。

注2
「大怪獣のあとしまつ」はあまりの酷評、評判の悪さに見る気を失い、アマゾンプライム見放題にもかかわらず未見です。

注3
「夜ごとの円盤 怪獣夢幻館」
実相寺昭雄・著
1988年
大和書房
ジミーT

ジミーT