真魚八重子

殺人者(コロシ)を追えの真魚八重子のレビュー・感想・評価

殺人者(コロシ)を追え(1962年製作の映画)
4.0
野村芳太郎の『張込み』を意識してるんだろうなと思う内容。強盗殺人の犯人が逃走中で、その(内縁の?)妻のもとに立ち寄ることを想定し、刑事たちが張り込む。マンモス団地内の向かいの棟から、老練な刑事と、そもそも強盗殺人事件に負い目を感じている青年刑事が、ジリジリと女を見張る。

この映画で面白いのは、強盗殺人グループの一人が300万を持ち逃げしたため、それを仲間も追っていること。だから女を見張ろうと、彼らも団地の他の部屋に立てこもってしまう。押し入られて、銃で脅されながら恐怖の日々を過ごす家族がいることを、刑事たちも知らない。

女がルーティンと違う動きをすると、刑事と強盗グループの両方が動き出す。女には幼稚園児の子どもがいて、その若くて美人な先生も団地に住んでいる。青年刑事と彼女のやり取りに、人間性の話が込められる。
カーアクションもあるし、面白いサスペンス映画。
真魚八重子

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