あんがすざろっく

12モンキーズのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.5
テリー・ギリアムの作品にしてはクセがなく、入りやすい一本だと思う。
エンディングシーンとオープニングシーンが繋がった時の、身体中を走った快感。
結末は決してハッピーエンドではないはずなのに、これだけ陰鬱にならないのは、パズルをはめ込むような楽しさがあるからだろう。
見終わっても、色々と頭の中で、あ〜なって、こ〜なって…と考えているのは、しっかり作品に躍らされてしまっている証拠。
初見では気づかなかったけれど、これは実はブラックコメディでもあって、考えてみればテリー・ギリアムはコメディ集団出身でした。何回か見たら、新しい発見があるかも。
どんなキャラクターを演じても、結局最後は強くなるマッチョマン、ブルース・ウィリスが、本作では本当に内面から精神的な弱さを表現し、あっ、こんな演技も出来るんだな、と新鮮に思えたり。やっぱりこういうぶっ飛んだ役が好きなんだろうな、の怪演がハマってたブラッド・ピットがいたり。ユートピアでもディストピアでもない、アナログな未来社会も素晴らしい。ピアソラの音楽も最高です。
あんがすざろっく

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