わずか20分のミニ・ドキュメンタリー。アイルランドで2024年に開催された岡村昭彦写真展の会場で流されていたようですね。アイルランドに住んで、ボーダーを越えて北部によく行き、北アイルランド紛争をそのただ中でカラーフィルムで撮影していた写真家であるにもかかわらず、アイルランドでほとんど知られていなかったと。

岡村昭彦についてまとめるのに、尺が20分では短すぎるわけで、テーマを「岡村の写真の特徴と魅力」と「岡村とアイルランド」に絞ってあり、そのため、北アイルランド紛争の写真をたっぷり見ることができます。他に誰も撮影していなかったであろうような、独特の、優れた写真を。

人物紹介的なところで岡村を有名にしたベトナム戦争での写真（特にLIFE誌掲載の凄惨な写真）は取り上げられていますが、ベトナム戦争のあれらの写真を撮ったあとに取材に赴いたビアフラのことは触れられてもいません。晩年のホスピスとのつながりも出てこない。なのでやっぱり、20分では短すぎるのです。

岡村昭彦の写真に衝撃を受けた方は、11年前、2014年に東京都写真美術館で開催された写真展（私もその時にこの写真家のことを知りました）の図録が「岡村昭彦の写真　生きること死ぬことのすべて」というタイトルで一般販売されているので（ISBNあり）、チェックしてみてください。写美収蔵作品もあり、同館ウェブサイトで閲覧できます。

2025年6月、アイルランド映画祭にて鑑賞。同時上映は『あるパブとの別れ』（ブレンダン・グリーソンが当事者でなおかつ案内役のドキュメンタリー）。

写真のパワーが凄かった

アイリッシュフィルムフェス2025

ブレンダングリーソンのあるパブとの別れと同時上映。オープニングでブレンダンの顔がドーンと画面半分に出てきた時は笑っちゃった。笑