じぇいらふ

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花のじぇいらふのレビュー・感想・評価

3.5
正月恒例の『男はつらいよ』シリーズ、今回は寅さんの大事な人リリーこと浅丘ルリ子の3回目のマドンナ出演作品。

リリーは他のマドンナと違い、水商売の歌手で、寅さんのいる世界に割と近い世界に住む人。故に何故いっしょにならんのか❓❓という疑問に対して、この作品はかなり重要ですね。

沖縄で病気になるリリー。寅さんにもう一度会いたいと手紙を送る。慌てて飛び出す寅次郎、、、しかし場所は沖縄那覇だった。寅さんが実は飛行機嫌いで、乗せるまでのドタバタが楽しい笑あんだけ旅生活なのに飛行機は乗らなかったとは⁉😆️
沖縄でリリーに再会した寅次郎は、病気が治るまでリリーと沖縄で暮らす。

この二人に距離感ならもう所帯持つ中になってもおかしくないのだが、寅さんはそうなりそうになると何故か冗談めかしてはぐらかす。リリーも悲しそう🥲

沖縄海洋博の水族館でイルカショーの女の子と仲良くなったりするあたり、今の感覚だとちょっとヤバいおっさんなのだが😅そこは寅さんだからモテるということで笑結局リリーも出て行ってしまう。

とらやでの再会の寅さんの発言は、普通ならそのままハッピーエンドにしてもいい展開なのに、やっぱり互いにはぐらかす。まるで、寅さんは結婚を禁止されているかのようだ。ここら辺山田洋次的には、結婚させてもよかった気がある感じだが、結局そうはならず、うやむやななんだかスッキリしない終わり方にしてる。だから最後の明るい再会シーンで誤魔化されてる感じ。

寅さんはとても人気者でモテモテなのに最後は必ずフラれるのがパターン。そうすることでシリーズが続いてきた。だからリリーほどぴったりな存在はむしろ寅さんというシリーズの触れてはいけない限界に触れるようでいつも切ない。

まさに寅さんとは『夢だった、、、』をやり続ける運命の、実は存在しない映画的存在(当たり前だけど😅)なんだなあと、あらためておもいましたね。

、、、しかしこれでリリーと結婚しましたという展開もありなのでは?とか今だと思うかなあ。そこら辺ストイックな設定作りは昔ならではだよね。

ちなみに今回は35mmフィルム🎞鑑賞。4Kはあるしあれはあれで綺麗な映像の感動だけど、フィルムのザラザラ感の方が寅さんはしっくりしますね