じぇいらふ

ゴースト・トロピックのじぇいらふのレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
4.2
初観賞、初映画作家、ベルギーのバス・ドゥヴォス監督2019年作品。最新作『Here』とこれが日本初上映とのこと。
予告編で気になって観てみる、、、正解でした🙆スゴく惹かれる画面の連続と雰囲気でずっと観ていられるこの感じは、、、好みです👍👍👍👍
ベルギーといえば、最近シャンタル・アケルマンが絶賛再評価中だが、バス・ドゥヴォスも要注目🙋

ゴースト・トロピック=幽霊熱帯??意味深タイトル

🎞️誰かの部屋~モノローグ~夜から明け方になる~までずっと固定画面~談笑する人々仕事仲間?~はじまり

📖掃除婦のカディジャは、仕事帰りの電車を乗り過ごしてしまい、帰りの足がないまま町をさまよい徒歩で帰る。途方に暮れながらも街中で様々な人々に出会う。。。というおはなし

最初の画面であまりに長い固定画面が続くので、これはどこのアピチャッポンかな?笑と思い、そういうスタイルか~と思いきやそれは最初だけで、主人公を中心にほぼ一夜の出来後を綴った、ジャームッシュ的なストーリーのないストーリー的作品。電車の中でカディジャが居眠りするまで見続けるのはアピチャッポンっぽい笑

スゴい撮影がいいな~と思っていたら、デジタルの補正かと思ったら、なんとスタンダードサイズで16mmフィルム撮影とのこと。エリック・ロメールの再来?!基本固定画面の連続だが、どの画面もキチッと決まっていて、スゴいと思った。唯一主人公カディジャが歩く場面だけ移動撮影、、、やさしい音楽。ベルギーのいかにも寒そうな季節の空気感もいいです

途中カディジャの娘が出てきて、悪い友達と遅くまで遊んでいるのを見つけて、、、しかしそれもどうなったか?よくわからない感じ。事件やトラブルに発展しそうで、、、しない寸止め感

ベルギーで出会う人々の人種の多様性と、カディジャ自身もその中のひとりとして生きている感じがする、とても生々しい今のベルギーを切り取ったみたいに見える作品

これは最新作『Here』も観たくなりました✨