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My Armenian Phantoms(英題)
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『My Armenian Phantoms(英題)』に投稿された感想・評価

[父と私とアルメニア映画史] 80点

Tamara Stepanyan長編四作目。監督の父親Vigen Stepanyanはアルメニア映画史を代表する映画俳優だった。そんな彼は、娘タマラの長編劇映画への出演を願いならが、2021年に亡くなってしまった。監督はそんな父親の姿から、近代アルメニア史及びアルメニア映画史を捉えていく。監督は1982年、アルメニアにて俳優の父と世界的チェロ奏者の母の間に生まれた。父親は撮影で家を開けがちで女性家族たちと育ったが、父親の背中は忘れられなかった。ソ連崩壊後の内線が終わった頃の1994年、家族とともにレバノンに引っ越した。家族は後にアルメニアに帰国したが、タマラはそのままレバノンで学業を終えた後、フランスに移住して映画製作を続けた。映画はまずアルメニア近現代史を振り返る。1915年のトルコによるアルメニア人虐殺は、トルコと敵対したくないソ連によって語られることが禁止されたが、その後の映画史を含めた歴史に深い影を落としたこと。1960年代に他の国と同じくニューウェーブが訪れたこと。パラジャーノフの映画と死(遺体は国葬級に展示され多くの人が葬儀に参列した)。そして、芸能一家だったタマラの家族史からアルメニア映画史を振り返っていく。彼女の祖父はフィルム技師で祖母はそのアシスタントだった。祖母はスターリン像落成式の映像で最前列に映るような人物だったが、業界の上層には女性がほとんどおらず、女性監督/女性撮影監督はゼロ、主演クラスの女優もほぼゼロ(有名な作品はマルガリータ・テレホワやガリーナ・ベリャーエワといったロシアの女優たちが出演している)だったらしい。しかし、強い女性たちに囲まれて育ったタマラは自分が映画監督になれると信じて疑わなかった。女性監督が業界にいないことを身を以て知っていた父親は、そんな彼女を心配していたなんてエピソードも登場した。構成として亡くなった父親に語りかけるように思い出の映像を並べるのは、ペトラ・コスタ『Elena』の感傷的なナレーションとも重なってくる(偶然にもペトラ・コスタも審査員としてベルリンにいたのだ)。同作と異なるのは、監督曰く"Separation, Immigration, Reunion"というアルメニア人の経験する全てを経験した典型的なアルメニア人とも呼べる父親の経験を起点に、アルメニア近現代史まで視野を広げることか。それによって主語が揺れている部分もあるのだが、許容範囲内と考える。映画の説明欄にはセルゲイ・パラジャーノフとアルタヴァスト・ペレシャンを超えて…みたいなことを書いてあったが、パラジャーノフは申し訳程度に尺を割かれ(勿論重要な人物だったとは思うが、アルメニアで撮ったのは1本だけなのだ)、ペレシャンに至っては言及すらなかったと思う。代わりに登場するのは、私も大好きなハモ・ベクナザリアン、フルンゼ・ドヴラチャン、ヘンリク・マリャンである。特にアルメニア初の長編を撮ったアルメニア映画のパイオニア的存在のベクナザリアンが、その時代において先進的な女性に対する視点を持っていたこと、ドヴラチャンが彼の作品群で見せた執着としてのアルメニア人のアイデンティティ探索をタマラも共有していると言及していた。これほどまでに旧作アルメニア映画を観ていて良かったと思える体験はなかった。近年のアルメニア映画は2000年代に牽引していたマリア・サーキャンという人物が若くして亡くなったことで代表者不在の不毛地帯となっていたのだが、今年はフォーラム部門に二人(もう一人のChristine Haroutounianも短編が好みで注目していた人物である)登場したので、復権も近いかもしれない。しかし、フォーラムから復権とは、流石はペレシャンの国である。

追記
というか、ラストシーンがFrunze Dovlatyan『Hello, It's Me!』そのままってのは流石にズルすぎるよ。