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ラヴ・ストリームスのmareのレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
4.0
カサヴェテスの集大成に相応しい愛の暴走、愛の喪失、愛の執着、壮大な愛の流れへと帰結する。実際の夫婦の関係性をフィクションの姉弟という鏡像に映し出した人間が人間たる所以のカサヴェテスのファイナルアンサー。愛という承認地獄の先に無数に待ち受ける現実の儚さと幻想の誘惑、理想形を思い描いた人々に無残にも訪れる敗北と瓦解。家に帰るだけで、目の前を歩くだけで平穏を約束される人生。かつてそれを味わった者たちは苦汁を一滴一滴と味わい、もはや正常な判断は不能、支離滅裂な言動を繰り返し、破綻した日常の中の非日常。破滅なのか再生なのか誰にも分からない終着点。
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