『アレキサンダー大王』
Alexander the Great
1955
パウサニアス「不名誉よりも追放を選ぶ!」
『聖衣』(1953)での主演で大ヒットしたリチャード・バートン主演で製作された史劇映画。
製作費は回収できなかった様だしIMDBでの評価は5.8でパッとしない。
でも
・短く研ぎ澄まされたセリフのやり取りが緊張感あって良い。
・父親との対立、母親が企てる暗殺。まるでシェイクスピアみたい。
製作・脚本・監督はロベール・ロッセン。
「『オール・ザ・キングスメン』(1949年)は批評的・興行的に成功し、第21回アカデミー賞で本命視される。授賞式直前に、彼が共産党員であった過去が下院非米活動委員会への召喚によって明らかとなり、ロッセン自身は監督賞や脚本賞を逃す。(中略)1951年(昭和26年)の非米活動委員会で証言を拒否し、一旦映画界を追放された。苦悩の末に転向し、1953年(昭和28年)の委員会では多数の党員の名を証言して以後、ニューヨークやヨーロッパ、中南米を映画作りの拠点として、二度とハリウッドには戻らなかった」(Wikipedia)
『アレキサンダー大王』はロッセンが共産党員であることを認め仲間を「売った」後に製作された映画。
この映画でもいくつかの裏切りが描かれる。ロッセンはどんな気持ちで裏切りや友人の切り捨てを描いたのか。