チッコーネ

バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.7
ニューヨークでジワジワと腐っていくヨーロッパ人の姿が、やるせなく描かれていく。
先延ばしにしていた問題が雪崩のように襲い掛かってくる終盤までは、モラトリアムな登場人物たちの生活描写が延々と続くものの、1シーンの尺は丁度よい塩梅で、退屈しない。

中でもWTCを背景に、巨大なキングコングのぬいぐるみが横たわる場面には、何とも言えない詩情が。
監督は『未来は女のものである』でも似た手を使っていたが、何度でも許せるほど、映画的な迫力が漂っていた。