ねぎおSTOPWAR

約束のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

約束(1972年製作の映画)
4.5
ショーケンって知ってます?萩原健一さん(2019年没)
わたしと同年代の方ならすっとイメージを共有できると思いますけど・・まず「太陽にほえろ」のマカロニ刑事、「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」と、大麻や暴力事件、そしてグループサウンズ時代のテンプターズ・・かな。
わたしがスクリーンで観たのは「恋文」でした。
当時わたしはジーパン:松田優作さんが好きで、マカロニ:萩原健一さん好きな友人と一緒に「それから」と「恋文」を観に行き、あーだこーだと語り合ったもんです。

実はショーケンが俳優として活躍したきっかけが今作だったんですね!
今回初めて知りましたよ。

韓国映画「レイトオータム」を観て、その元作に興味を持ち、イ・マニ監督の初代作品はフィルムが無くて観れず・・1982年キムスヨン監督の「晩秋」をシネマートで拝見。そして1972年に日本でリメイクされたこれに辿り着きました。
齋藤耕一監督はソウルでイマニ監督作を観てすぐにリメイク権交渉したそうです。

はっきり言って今作が最も好きです‼️

unextにあるってもっと早く気付いていたら良かったけど、まあしゃーない。

舞台となる列車は直江津や青森を目指す急行列車。いやあやっぱり日本海の波ってね、なんでしょうね、このおっもい感じ。全てを飲み込んで運び去ってしまうような・・。
1972年って、今は消えゆこうとするかつての日本映画黄金期を支えた技術スタッフが、まだ活躍していたんですね。・・だって画がとっても良いんですよ。列車内であってもかなり手の込んだアングルの連発です。当時ですから、合成みたいなことも無理ですから、実際の列車を使わせてもらっていると思いますが、実際の列車だからこそ撮影は壁や天井や椅子やら邪魔なものばかりなはず。それにめげずにこの撮影には驚きです。
・・ひょっとしたらこれまでに観た当時の日本映画って、もっと映像が素晴らしく、わしがわけのわかっていなかった頃観たから気付けなかっただけなのかも。

いずれにしろ元作の切なさと儚さといたわりが岸恵子とショーケンで見事に表現されています。
傑作だと思います。