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お引越しのGTのネタバレレビュー・内容・結末

お引越し(1993年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「結婚」「出産」を考えてる人は是非とも見るべき映画だ。
レンコの父であるケンイチは妻であるナズナとソリが合わなくなり、別居することになる。レンコは初めのうちはそれほど気にする様子を見せないものの、非常に繊細な性格をしている彼女は次第に父のいない生活や規則を押し付けてくるナズナに不満を募らせ始め、学校でボヤ騒ぎを起こすなど行動も荒み始める。家出をしようとするレンコをナズナが見つけ詰問しようとするも、レンコはお風呂場に籠城してしまう。そこへ駆けつけた父ケンイチ。しかしこの場ですら、この二人は喧嘩をしてしまう。その会話を聞いていたレンコの強烈な一言「なんであたしを産んだん!?」
映画後半ではナズナと琵琶湖へ旅行しにいくが、そこにはなぜかケンイチの姿。「やり直したい」と迫る彼を、レンコは受けいられず拒絶する。そこからレンコひとりの「旅」が始まり、ここから映画は非現実的な世界へ入っていく。火の祭り、鬱蒼とした森を抜けた先にある宗教的な空間。胎児のように丸まるレンコ、そして湖が現れ、過去の自分を抱きしめる。「おめでとうございます」。
やはりレンコ演ずる田畑智子の演技が素晴らしい。一連の事件を通じて色々なことを学び成長していく姿を生き生きと演じてくれている。少し重めのテーマでありながら、レンコの明るさと無邪気さによって映画全体の雰囲気は頗る明るい。ミノルくんとのやりとりが青春って感じがしてすごくすき。
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