エイプリル

星を追う子どものエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

星を追う子ども(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

他の新海誠作品と同じく、映像も音楽も非常にクオリティが高いです。
一方でストーリーがふわっとしているのが気になりました。主人公がアガルタに降りる動機もいまいちはっきりしておらず、作品が扱うテーマもありきたりでした。死んでいる人を生き返らせることの意味について扱っているのですが、神の領域に触れると痛い目を見るという他の作品で何度もやられている展開と変わりばえしない着地点でした。
作中で森崎先生が助けてくれた老人の語る生死の観念は地上でも溢れかえっているからアガルタならではの復活方法を教えてくれ、というようなことを言っていたことから、本作では過去の作品と違う生死観を提示してくれるかと思っていたので残念でした。
ラストシーンとエンディングテーマの爽やかさで騙されてしまいますが、オチはかなり後味が悪く、先生は失明するしシンは帰るところを失うし、誰も何の得もせず単にアガルタの神が人間のエゴを懲らしめたというだけになっているのも爽快感に欠けました。
それでも不思議な世界観を楽しみたい時には良い映画だと思いました。
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