Violet

独裁者のVioletのネタバレレビュー・内容・結末

独裁者(1940年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

1940年10月に本作は公開された。
ヒトラー全盛期時代に、喜劇王チャップリンは「笑い」で「人としてあるべき姿」を世界中に知らしめたのだ。
チャップリンの軽やかでひょうきんな動きは自然とくすくす笑ってしまう。
彼の描く優しい世界が好きだなあ。

世界制覇を目指す血も涙もない独裁者と、その男に瓜二つの記憶喪失の床屋の男。ひょんなことから床屋の男が独裁者に間違われ、ラジオで演説を行うことになる。
この設定もとても面白くてよかった。

使われる音楽も本当に絶妙で、特に髭剃りのシーンは最高。
ケーキの中に入っていた銀貨をみんなで必死に隠すシーンや、チャーリーとハンナのデートを近所の人みんなが見に来てしまうシーン、大きく見せようとしてヒンケルとナパロニが理髪店でイスをどんどん高くしていくシーン、挙げたらキリがないくらいに好きなシーンがある!

ずっとケラケラ笑って見ていたが、ラストではかの有名な「6分間のスピーチ」が始まる。
当時多くの人の心を射抜いた言葉だと思うが、現代の人にも彼の言葉はしっかり届く。
というよりも、今、全世界の人にこの言葉を聞いてほしい。
賢くなって疑うことばかりを覚えたわたしたち人間が、最も大切にしなければならないこと。それは思いやりと優しさだ。
この世界には、本当は世界中の人々が豊かに暮らせるくらいのたくさんの富と資源があるのだ。
見たら絶対に優しい気持ちになれる映画。
そして、希望の光が見える映画。

▼The Final Speech (my favorite parts)
•We want to live by each other’s happiness - not by each other’s misery.
•In this world there is room for everyone. And the good earth is rich and can provide for everyone.
•More than machinery we need humanity. More than cleverness we need kindness and gentleness.
•You are not machines! You are not cattle! You are men! You have the love of humanity in your hearts!
Violet

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