Tai

独裁者のTaiのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.5
コメディ?いやいや、チャップリンです!

明らかにヒトラーへ非を唱えた作品。何がスゴいって公開が1940年なんですよね!他国の独裁政治に対してリアルタイムで表現者がこんなあからさまに映画という形で公表できるなんて、やはり自由の国アメリカは強い国なんだなと思わされます。

注目すべきは迫害されるユダヤ人と、それを指揮する独裁者という両極端に位置する2人をチャップリンが演じています。
私の脳レベルが低いために、シーンが変わると若干どっちかわからなくなるところもありましたが、会話内容を聞いているとちゃんと理解はできますね◎
そして一人二役で演じた意味といものが、本作のメッセージ性を色濃くしています。
色んな方が言うことですが、やはりラストシーンは映画史に残る名シーンですね‼︎

チャールズ・チャップリンというと〝喜劇王〟というフレーズが付いてくるので、その作品というとコメディの印象が強かったのですが、何本も観てみると違った印象となりました。
とにかく社会を表現しているんですよね。そこにいる沢山の人が抱える悩みや悲しみを通して〝人のあり方〟を訴えかけているように思います。
しかし、チャップリンの可笑しな動きであったり、軽快な音楽であったりで観ている人を笑わせる。
楽しいも、悲しいも、辛いも、嬉しいも、醜さも、愛おしさも、人の光と影双方をどの作品においても表現している、まさに〝チャップリン〟というジャンルの作品たちだなと私個人ではありますが最近は思うようになりました。


国や人種を問う声が上がり続ける昨今、何年経っても変わらない問題でありながら、訴え続ける答えもまた変わっていないのだと教えられる本作。
果たして、国際社会が進歩する日は近いのか?まだまだ先の世代になるのか?非常に考えさせられる作品でした(´-`)
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